サステイナビリティ学への招待
気候変動や生物多様性喪失に象徴されるように、地球規模の持続可能性(サステイナビリティ)が脅かされています。東京大学大学院新領域創成科学研究科では、地球や地域のサステイナビリティ課題に取り組む人材を育成することを目的として、2007年、世界に先駆けて、サステイナビリティ学を扱う大学院プログラムを設立しました。同プログラム修了生は、現在、世界各地で活躍しています。
当プログラムにおいて、サステイナビリティ学とは、世界や国あるいは地域のサステイナビリティに関する課題を学問をつうじて発見し、解決策を提示するアプローチであると考えます。学問領域は、自然科学から人文社会科学まで多岐にわたります。学問領域ごとに確立された定理や分析手法を身につけた上で、目前のサステイナビリティ課題の解決のために用います。
サステイナビリティ学を遂行する上では、多様な意見や価値観を持った人々との対話というプロセスを組み込むことも重要です。社会課題は、研究室の中ではなく外で起きています。課題が起きる要因や解決を阻む障害も、他者との交流を経て初めて見つかるものです。
2022年4月、東京大学大学院新領域創成科学研究科の下に、サステイナブル社会デザインセンターという新しい組織が設立されました。そして、それ以前からあったサステイナビリティ大学院プログラムは、同センターの下に位置付けられました。サステイナブル社会デザインセンターでは、世界各地から集まった研究者や大学院生たちが、社会のサステイナビリティについて考え、様々な研究テーマに取り組んでいます。みなさんも、私たちと一緒にサステイナビリティ学に取り組んでみませんか?
サステイナビリティ大学院プログラム(GPSS) 長
サステイナブル社会デザインセンター長
亀山康子